【エッセイ】原点回帰 — 5枚のアルバムを経て

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これまでピアノトリオで5枚のリーダーアルバムをリリースしてきた。TRISPACE名義で4枚、林祐市Trioで1枚。そのすべてがオリジナル曲だ。

最初の3枚は北欧ジャズの影響を色濃く受け、暗中模索のなかで自身の音を探していた。3枚目をスウェーデンで録音したことで、ひとつの形に辿り着いたという手応えを得た。

でも同時に、その完成はどこか息苦しさも伴っていた。このまま同じ場所に留まっていていいのか、そんな感覚がずっと消えなかった。

4枚目ではプログレ的な要素や現代的なアプローチを大胆に取り入れ、5枚目はメンバー変更を機にストレートアヘッドなジャズへと舵を切った。

しかし、そうやって試行錯誤を重ねるなかでも、音を形作ろうとする「自我の力み」は、だんだん抜けてきてはいたものの、どこかでずっと残っていた。

そして今、再び「原点回帰」の地に立っている。自分の内側から自然に湧いてくる透明感や抒情性、躍動感を素直に出している。それは、意図せずとも北欧ジャズの響きとも重なるものだ。

遠回りをしたようにも見えるけれど、今になってようやく、無理をせずにそこに立てている感覚がある。自然体でいられるのが、今のスタイルだと思っている。それは何かを足した結果ではなく、作為を手放し、自我の力みを削ぎ落として残ったものだ。

原点に立ち返り、自然に溢れてくるものを、そのまま音にしていきたい。

2026年04月01日 | Posted in 【エッセイ】私の考え | | Comments Closed 

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