ジャズピアノの歴史 – Cecil Taylor (1929-2018)
「ジャズピアノの歴史 – Cecil Taylor」
セシル・テイラー(1929-2018) は、ビバップや伝統的なジャズの既成概念を否定し、フリー・ジャズの創始者の一人として知られるピアニストです。
1950年代後半から、スウィング感やコード進行にとらわれず、完全即興による音楽を展開。リズム、ハーモニー、楽曲の構造を徹底的に解体し、ジャズを前衛音楽の領域へと押し広げました。
クラシックのバルトークやストラヴィンスキー、現代音楽のメシアンやウェーベルンの影響を受け、無調的な響きやクラスター奏法を駆使。ピアノを打楽器的に扱い、ポリリズムやアシンメトリーなリズムを多用した演奏は、従来のジャズ・ピアノとは全く異なるものでした。
その革新性はアルバート・アイラー、オーネット・コールマン、アンソニー・ブラクストンなどのフリー・ジャズミュージシャンに影響を与え、マシュー・シップら後世の即興音楽家にも受け継がれています。
ジャズと即興音楽の可能性を根底から覆した、20世紀の最も革新的なピアニストの一人です。
2021年10月13日 | Posted in ジャズピアノの歴史 | | Comments Closed